いやぁ、あっという間に一月も後半ですよ。
師走より忙しいんじゃないかこれは。的な毎日です。
いかがお過ごしですか。皆様。
昨年末からのシリーズ、年内には完結したいとか言いつつ、年を跨いでしまいました。
すんません。解説を続けますが…
今回はですね、楽しい話だけではないです。
怖い話を含みます。苦手な人、今回はスルーで。
スルーする方の為に一応結論だけ書いておきます。
「いい家族や仲間がいると幸福感があがります」以上です。
9:仲間を持つ
これは誰に習わなくても、直観的に理解している項目ですね。
自然の中で単独で生き抜けるほどヒトは強靭には作られていません。
原始時代、孤立した個体は生存する可能性が低い。
コミュニティを作り、他者との助け合いを得られた個体が生存し、子孫を残す。
これを何万年と繰り返した結果、人は本能的に社会に属し絆を作りたいと考えるように設計されています。
2009年に京都大学で実施された調査では「共同体からの阻害意識は主観的幸福感と負の相関関係がある」という結果が出ています。
平たく言うと、家族・学校・会社そして国家から除け者にされていると感じる人は幸福度が低く、所属することに喜びを感じる人は幸福度が高い。って話です。
この研究、心理学部とか医学部じゃなくて工学部の研究なんですけど、都市設計の為に調査したらしいです。
いろんな業界の人がいろんな調査をしてるんで、ホント面白いです。
さて、組織や社会への帰属意識を「共同体感覚」と言いますが、アドラー心理学では「最高の幸福」とまで言ってます。
おお、最高の幸福、いいじゃないですか~
と、話は単純には進みません。
しばしば悪い方向に行くんですね。これが。
例えば、家族愛や、会社や部活の仲間との絆。
幸福感も上がりますし、生産性も向上します。
そして、国家への愛国心や、宗教への信仰心。
これも幸福感が上がります。
組織が大きく、帰属意識が強固で狂信的であればあるほど、幸せに感じる。
ここが恐ろしい。
こちらの写真をご覧ください。
なんの写真か分かります?
ナチスドイツ、アウシュビッツ収容所の職員の集合写真です。
笑顔でおどけたポーズ。
ユダヤ人に水をかけると肩をすくめて驚くのを、面白がって表現しているそうです。
この人達、不幸に見えます?
楽しんでいる。
幸せも感じているでしょう。
狂信的愛国心は強力な幸福感を与えてくれます。
そして、その幸福感を失いたくない人間は残酷な事もできてしまう。
次に、こちらの画像。
ワールドカップやオリンピックでよく見る光景ですよね。
こちらの皆さんも良い笑顔です。幸せ。
国家に対する帰属意識を楽しんでおられます。
家族にしろ、会社にしろ、国家にしろ、帰属意識は幸福度を高めてくれます。
落ち込んだ時に、家族や仲間の存在は、大きな力になります。
組織間の競争は、チームの絆を深め、成長の助けとなります。
ですが、ほどほどに。
共同体から得られる強力な幸福感は、強力な不幸を招く恐れもあるのです。
それでは、今日はこのへんで。
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