さて、前回の続きです。
2:意図的に他人に親切にする。感謝する。
フレドリクソン氏は多くの被験者を集めて、様々な課題をこなしてもらい、その日のポジティブ感情がどう変化するかをデータ化しています。
その結果、友人相手でも見知らぬ相手でも、利他的な行為をするとネガティブ感情が軽減され、ポジティブ感情が増加するという事がわかりました。
ポイントは、なんとなく一日を過ごして「あ~そういえば、あの時親切にしたったわ」って思い返すのではなく、自分から探して親切な行動をした方がポジティブ感情が増加したというところです。
フレドリクソン氏以外にもカリフォルニア大学の心理学博士ソニア・リュボミルスキー氏も2000人以上を対象とした研究の結果、同じ結論に至っています。
リュボミルスキー氏は、一日に5つの何か親切な行為を行うように指示された人たちは、それをしなかった人たちに比べ、はるかにポジティブ感情が増加し、しかもその効果が数日持続した。と述べています。
また、他人に感謝するという行動も、ポジティブ感情の増加に効果があることがわかりました。
前回の記事で紹介した「良いことに着目する」という練習に重なる部分がありますが、人に感謝する。という行動は、他人が自分に向けてくれた良い部分を認識することから始まります。
この親切にする。感謝する。という行動は、仕事をしていれば比較的容易に達成できます。
仕事は基本的に誰かの役に立つことを行って報酬をもらうわけですから、意図的に仕事にひと手間加えて顧客に喜んでもらうのは、良い行動だと言えそうです。
実際、ややこしい研究データに頼らなくても、日々の仕事にひと手間加えて、提供するサービスの価値を高めたいという意識を持っている人は、普通に出世しそうですよね。
仮に仕事をしていなくても、完全な無人島で生活しているのでなければ、誰かと接点はあるわけで、感謝する。親切にする。という行動は練習できると思います。
3:楽しい未来を想像する。何かを楽しみにする。
これですよ。胡散臭い。
なんかよくあるスピリチュアル本に書かれてそうな内容。
ひと昔前に「引き寄せの法則」とか「願えば叶う」的な本ありましたよね。
なんか宇宙的なパワーが作用して金持ちになりますとか、そんな話。
宇宙的なパワーは専門外なんで、ミズーリ大学のローラ・キング教授のお話をします。
キング教授は被験者に、こちらの課題を出しています。
「あなたがこれからの10年で努力し、能力を最大限に発揮し、夢をすべて実現しました。その時、あなたはどこでどんな生活をしていますか?」
この問いに対して想像した状況や感情を、1週間ほど毎日少しずつノートに書きだしてもらうという課題です。
そうして書かれたものを読み直し、そこから浮かび上がってくる自分の人生にとって大切なものを確認することで、ポジティブ感情は効率よく増加し、持続時間も長いと述べています。
なるほど。
理想の未来を想像することは、幸福度が増すので、成功の確率もあがると。
「引き寄せの法則」や「宇宙的なパワー」
理論の展開は僕の好みではないですが…
結果的には全てが間違いというわけでもなさそうです。
さて。
ちょっと問題なのは、キング教授の方法は時間がかかりすぎるという点です。
そんな重めの想像力を働かせるのは、正直キツイです。
というわけでお手軽なのがこちら。
「何かを楽しみにする」
お気に入りの映画を見る。
美味しいものを食べに行く。
間違いなく幸福度が上がりますよね。
これ、実際に行動しなくても、予定に入れて想像するだけで、幸福度が上がるそうです。
あなたがまだ子供だった時、クリスマスが近づいてきて、おもちゃのカタログを眺めた時のワクワク感。覚えてます?
このおもちゃはどんなに楽しいだろう。
これは、こうやって遊んだら楽しそう。
実際におもちゃがなくとも、幸せです。
まぁクリスマス当日には、辞書とか算数練習帳とか貰って号泣までがウチの定番でしたが。
話がそれました。
まとめます。
忙しい毎日で、人生の目標なんて大層な事を意識できなくても
いますぐ休暇を取ることができなくても
ともかく何かをカレンダーに書き出すのが良いようです。
一か月先、一年先でもいい。
気分が晴れない時は、その予定の事を考えよう。
と、エイカー氏、フレドリクソン氏は声を揃えます。
友人や家族との会話のなかから、流れでなんとなく楽しい予定を入れるのではなく、
いついつはこれこれで楽しむ!と、意図的に楽しい予定を組む。
これが練習になるようです。
今日はここまで。
次回も引き続き「幸せになる方法」解説していきます。
それでは、また。
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