みなさん、こんにちわ。
前回に続いて「幸せ」について研究者たちの見解を紹介していきます。
前回はショーン・エイカー氏の研究を基に
「幸せとは、脳を効率良く稼働させる感情の総称であり、成功した結果幸せになるのではなく、幸せな人が成功する」
というお話をしました。
じゃぁどうやって幸せな気分になればいいんだよって話でして。
今回は「幸せな気分になる方法」についてのお話です。
ノースカロライナ大学の心理学部教授バーバラ・フレドリクソン氏は
幸せな気分、つまりポジティブ感情と
幸せでない気分、ネガティブ感情を細かく分類しました。
ざっと並べてみますと…
ポジティブ感情は
「喜び」「感謝」「安心」「興味」「希望」
「誇り」「愉快」「鼓舞」「畏敬」「愛」
ネガティブ感情は
「怒り」「悲嘆」「焦り」「罪」「恥」
「不安」「後悔」「孤独」「軽蔑」「嫉妬」
といったところです。
これらを並べた質問紙を作成し、被験者に一日の終わりに各項目1~5点で採点してもらうことで、被験者のポジティブ感情を測定したわけです。
そして、どのような行動が被験者のポジティブ感情を高めるか、実験を繰り返しました。
結果。
10の方法でポジティブ感情を高めることが出来ると述べています。
1:寝る前にその日にあった良いことを3つ日記に書く
2:意図的に他人に親切にする 感謝する
3:楽しい未来を想像する 何かを楽しみにする
4:環境を整備する
5:運動する
6:自然とのつながりを持つ
7:経験を得る為や誰かの為にお金を使う
8:固有の強みを発揮する
9:仲間を持つ
10:瞑想する
ちなみにエイカー氏は5つの方法を提唱しています。
1:3 gratitudes (3つの感謝)
2:Journaling(日記)
3:Exercise(運動)
4:Meditation(瞑想)
5:Random Acts of Kindness(ランダムな親切)
ほぼ同じような提案じゃないかと思うわけです。
エイカー氏の方法は少し抽象的なので、フレドリクソン氏の10項目について説明していきます。
まずは
1:寝る前にその日にあった良いことを3つ日記に書く
なんだそれ。子供か。って思いません?
説明の前に、この動画を見て下さい。
英語で課題が出ますんで、日本語訳を書いておきますね。
「白いシャツのチームが何回ボールをパスしたか数えて下さい」
正解は16回です。
で、ゴリラは見えました?
多くの人が見落とします。
こんなに堂々と登場しているのに見えない。
つまり、人は見ようと思うモノしか見えないんです。
寝る前の5分間、一日を振り返って、良かった事を3つ探す。
意外とできません。
腹立つ顧客や、同僚のミス、上司のイライラした顔、ネガティブな事はいくらでも思い出せるのですが、良いこととなると出て来ない。
なぜか。
人間は長い進化の歴史のなかで、自然の脅威から生き延びるために、危機を察知する能力を磨いてきました。
例えば原始時代。とある山があったとしましょう。
その山について二つの情報があるとします。
・おいしいイチゴが採れた
・クマが出て、人が食われた
この二つの情報のうち、クマの情報を重視する個体の方が、生存の確立が上がります。
「わ~い いっちご~」みたいな人は幸せですがクマに食われて死ぬ確率が高い。
日常的に生命の危機に直面する古代の環境では、ネガティブな個体の方が生き残り、子孫を残すわけです。
ネガティブな人がネガティブな人と子供を作り
そしてまたネガティブな人がネガティブな人と子供を作り…
これを何億年と繰り返してきた結果、我々の脳は基本的にネガティブな感情を強く意識するように設計されています。
え、ネガティブに設計されているならどうしようもないじゃん。
そんなことはありません。
テトリス効果という言葉があります。
人間の脳は習慣や練習によって、認識できるモノが偏ってくる。という現象のことです。
テトリスってゲームに熱中している人が、街の風景を見た時に、あのビルとあのビルをくっつければ、一列並ぶから消せるな。という思考を持つという心理学的な発見から名付けられています。
このテトリス効果、ポジティブにもネガティブにも作用します。
例えば、結婚したい女性がいるとします。
結婚したいけど、いい出会いがないの。
つまんない男ばっかり。
カッコよくないわ。
清潔感が足りないわ。
気遣いが足りないわ。
年収が低いわ。
こういう判定を繰り返すことで、ネガティブなテトリス効果が発動します。
ちょっとした優しさには気が付きません。
今は開花していない彼の能力も見えません。
彼女の目に映るのは、凡庸でつまらない男たちばかり。
そりゃ、出会いはないですよ。
だって見えないんですから。
ポジティブなテトリス効果を発動させましょう。
運命の人は既に出会っているのかも知れません。
さて、ポジティブなテトリス効果を発動させるために、生活の中から良いことを探さなければなりません。
契約がまとまった!昇進が決まった!
そんなわかりやすい良いことばかりの毎日ではありません。
なにもない日。ろくでもない日。そんな日は
・道端に生えている花が綺麗だった
・ごはんが美味しかった
・お風呂が気持ちよかった
こんな些細なことでも良いそうです。
このように、良いこと事を探す練習を毎日重ねることで、良いことを認識できる能力が高まります。
結果、ポジティブ感情高める事ができるとフレドリクソン氏は述べています。
写真が趣味の友人が「カメラにハマって、人生の解像度が上がった」と言っていました。
間違いなくポジティブ感情は高まると思います。
わざわざ汚いモノやつまらないモノを探してカメラに収める人はいませんから。
彼は良いモノを探すというアンテナを日々磨いているわけです。
もしあなたが、普段から小さな幸せを感じる事ができる人で、三つの良いことを聞かれてすぐに答えられるなら、この練習はすでに出来ています。素晴らしいことです。
すぐに答えられないなら、練習しましょう。
「幸せは練習で手に入れる事ができる」のですから。
最後にショーン・エイカー氏のスピーチを紹介して今日はおしまいにします。
それでは、また。
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