LOVE MAP 2

前回の続きです。

全ての見聞きした事は、脳の扁桃核で「好き」か「嫌い」に分けられるという話はすでにしましたね。
この振り分け機能は、異性と出会った瞬間から働きます。

あなたは、ある日ある異性と出会う。
どんな場所だろう。
落ち着いた雰囲気のバー?
夕日に照らされたビーチ?
賑やかな居酒屋だろうか
それともいつもの退屈な職場?
ひょっとしたら、ギャングが徘徊する夜の繁華街の露地かもしれない。

出会ったシチュエーションで、あなたがその異性に持つ第一印象が変化する。 

先日結婚した友達カップルの出会いを紹介しよう。
は一人暮らし。
ある夜、彼は花火大会だったことを思い出して、住んでいるマンションの屋上にワインボトル片手に登った。
屋上で、一人でワインをラッパ飲みしながら花火をしばらく観てたら、人の気配に気が付いた。

振り返ると後ろの給水塔の下に一人の女性がビール片手に花火を見ていた。
特に会話をするでなく、他に誰もいない屋上で花火を見る二人。
その日は、軽く頭を下げて友達は部屋に戻った。
翌朝の出勤時間、エレベーターで再度二人は出会う。
彼は「おはようございます」と言った。
それが二人の出会い。


出会いの瞬間の印象は、相手がどんな人間であるかはほとんど影響しないと、フィッシャー博士は言う。
どんなシチュエーションなのか、どんな仲間とどんな気持ちでいた時に出会ったかが大きく影響する。

さて、こんなかっこいい出会いじゃなくて、フツーのシチュエーションだったとする。

あなたはどこを観察するだろうか。
顔?
服装?
表情?
その瞬間も扁桃核はフル稼働している。
過去の記憶から似た情報を拾ってきて、手に入れたばかりの情報と照合、好きか嫌いかを決定している。
ここでも、相手がどんな人間であるかは関係ない。
あなたがどんな経験をしてきたか、その一点が全てを支配する。

次は会話だ。
どんな話をするだろうか。
実は、ここが一番重要だとバーテルス博士は言う。
会話の内容によって、呼び起される記憶が変わってくるからだ。
「子供の頃、海に行くだけで楽しかったよね」とか
「初めて人を好きになった時ってどんな気持ちだった?」
という会話と
「この前、レイプ殺人が起きたよね」とか
「一番、大恥かいた経験は?」
という会話では、蘇る記憶に大きな差がある。
初対面の相手なら、会話の瞬間瞬間に記憶と相手の顔がリンクして記憶されるので、潜在的な恋人候補として扁桃核に記録されるか、一生友達として記録されるかが決定してしまうからだ。
初めてのデート、いやデート以前の食事の段階で「恋人に裏切られた話」や「最低の彼氏」の話ばかりするのは、破滅的な結果を生み出す事に他なりません。と博士は締めくくる。

今までで上手くいった恋愛のことを思い出してみよう。
シチュエーション
彼もしくは彼女の表情
会話の内容
多くが恋愛向きのロマンチックな内容ではなかっただろうか。

つまりは、恋愛感情の成立にはどれだけの良い記憶と相手がリンクしたか、にかかっているわけだ。
リンクの量が、増減を繰り返しつつも一定量を超えた瞬間、ヒトは相手をパートナーとして認識するのだと言う。

 

 

まったく別の土地で、
まったく違う時間を、
まったく違う人に囲まれて生きてきた二人が交わす言葉。

それらが今まで生きてきた記憶と結びつき、恋愛がはじまる。

 

というお話でした。

 

いやぁ、長くなりました。
こうして成立した恋愛が、なぜ終わるのか、どうしたら終わらないのかも研究がすすんでいますが、それはそのうち書きます。

 

恋愛ブログみたいになってるんで今度は違う話題にしようかな。

それではまた。